美術女子を落とすためにヌードモデルを志願した不良の行く末は『山口つばさ短編集 ヌードモデル』

『山口つばさ短編集 ヌードモデル』は、超人気作『ブルーピリオド』の山口つばさ先生による、初の短編集だ。単行本未収録のデビュー作、最新の読み切りを含む3編が収録されている。『ブルーピリオド』の原点が垣間見えたかと思えば、まったく別の表現が心をざわつかせ、短い物語に気づけば引き込まれている。

表題作「ヌードモデル」は、美術に打ち込む女子・夏目と、彼女を落とすためにヌードモデルを志望する不良の百瀬の交流を描く。

金欠の不良・百瀬は、仲間との賭けに負け、罰ゲームをやらされることに。彼らの騒ぎをよそに教科書に目を落とす女子は“夏目”。美大合格を目指す彼女は、授業の時間も惜しんで絵を描く。

いわゆる“陽キャ”の百瀬だが、なにかと夏目にちょっかいを出さずにいられない。そんな百瀬に、仲間が課した罰ゲームは「3日以内に夏目とヤること」。できなければ根性焼きだ。百瀬は夏目のアトリエ代わりのアパートに押し掛け、機会を狙う。

地味な夏目なんてすぐに落とせる。そう、2人きりで、裸になれば……。

しかし、夏目の集中力は「描くこと」だけに注がれ、エロい空気は微塵もない。
穴が開くほど見つめられ、描かれるのは怖い気もするけど、嫌いじゃない。そう感じるも、焦りを捨てきれない百瀬は……。

つづきは「ほんのひきだし

書籍紹介

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